経済学者と投資家の言葉
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まり、世界中がパニックに陥った頃には、ワクチンは開発できるのか、それも世界中の人を守るのに十分な量を生産できるのかは誰にもわからなかった。
先見性のある投資家が、ファイザーのような多国籍製薬会社が記録的な速さでワクチンを開発できると予見したとしよう。実際、まさにそのとおりになった。
パンデミックの始まった頃にファイザーに1万ドルを投資していたら、1年後には1万1900ドルになっていた。そのときには同社のワクチンを接種しようと世界中で数百万人が列をなしていた。
一方、パンデミックの最中に数百店舗を閉鎖したスターバックスの株に同じタイミングで1万ドルを投資していたら、1年後には1万4200ドルになっていた。ファイザーに投資するよりリターンは20%も多い。
投資をしていると本当にストレスがたまるのはここだ。
株式市場でのワクワクするような投資話を聞くと、僕はいつも経済学者バートン・マルキールの格言を思い浮かべる。
「息せき切って話す人間からは絶対にモノを買うな」(1)。
ウォーレン・バフェットも同じようなことを言っている。
「拍手喝采を受けるような投資話には注意せよ。最高の投資はだいたいあくびが出るような話だ」(2)
バーのハッピーアワーではおよそ話題に上らないような、そしてメディアの注目を集めたり推奨銘柄になったりしないような退屈な会社が、株式市場では劇的に成長することがあるとバフェットは指摘している。