健康やお金、おしゃれ、人間関係……70代、そして80代の人生1分1秒を楽しんで生きていくには、どうしたらよいのでしょうか。72歳を迎えた作家・林真理子さんは「70代は頭も体もまだ大丈夫。それなりに蓄えもできている。でもこれまでと全く同じことをしていたらダメ」と語ります。そこで今回は林さんの著書『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』より一部を抜粋し、林さんの痛快・人生論をお届けします。
陽ざしの中で、すっぴんで己を確認する
自他共に若いと認めている私。人に褒められると、
「手間もお金もかかってますから」
と胸をはって答える。
先日「徹子の部屋」に出た時である。司会の黒柳徹子さんは優しい方なので、
「本当にお綺麗ですね」
とおっしゃってくださった。たぶん以前と較べて、という意味であろうが、それにたじろぐような年ではない。
「70にしては綺麗だと思いますよ」
さらっと言ったところ、さっそくネットでイヤ味が。
「こんな風に自己肯定が強い人が羨ましい」
あたり前ではないか。老いるということは、ひとつひとつ自己肯定を重ねていくことではないか。
とまあ、それほど強気の私であるが、つい先日、自宅でヘアメイクをしてもらっていた。陽ざしがさんさんと降りそそぐ中で、鏡の中の自分を見てぞっとした。完全に老人の顔をしていたからである。
驚いたのは唇である。私は70過ぎてもぽってりと厚い唇をしていると思っていたが、それはリップと筆があってのこと。陽ざしの下では薄く、奥にひっ込んでいるではないか。
「あー、私って本当に老人なんだ」
としみじみ思った。
が、このまま落胆してはいけない。ゲンジツはゲンジツ、もっと手をかけていかなければ、と心をあらたにしたのである。