コロナ禍にはマスク入れも作りました

小さなことから始めてみて

デイサービスには4年前、90歳の時から通い始めました。といっても、自分のためではなく、20歳年下の義理の姪の付き添いです。

彼女は津波で夫を亡くした後、70歳で認知症になってしまった。働いている子どもたちだけではお世話が間に合わないので、親戚のなかで一番、時間のあった私が付き添いを買って出たのです。

初めて介護施設を訪れた時は、私のほうがまいってしまって。みなさんとてもおとなしくて、活気がないので……。そういう光景に不慣れだったものだから、「私が来る場所じゃないわ」と感じ、やめようと思いました。でも姪は乗り気だったから、じゃあ週に一度だけ、と。

でも、何度も通ううちに私も楽しくなってきたんです。それほど人の出入りが多いわけではないから、どんどん知り合いが増えて。自分とは違う人生を歩んできた人の話を聞くのは、いくつになっても勉強になります。嫁姑の愚痴を聞くのも、不謹慎だけど面白いですよ。(笑)

最近は、施設で2週間に一度の折り紙教室にも姪と通うようになりました。翌週、施設の玄関に自分たちの作品が飾ってあるのを見つけると、なんだか誇らしい気持ちになります。