何かの形で恩返ししなくては
2020年春、緊急事態宣言を受けてともしびは休業。ベイビーブーもすべてのライブが中止に追い込まれることになる。どこにも出られず、もどかしさだけが募る中でベイビーブーはいち早くYouTube配信を始める。Twitterでは3月5日から1年以上、毎日欠かさず歌声を届けた。
明日はどうなるかわからないから、やれることはなんでもやっておこうと、不安との闘いの中での発信だった。反響は上々。ファンからの喜びの声が続々と寄せられる。
9月、「うたごえ喫茶ともしび」が閉店。機材や家具を運び出した後の店内から、ともしびメンバーの最後の配信にはベイビーブーも参加した。
「がらんとした空間からの配信が終わり、新宿店での最後の時間を皆で愛おしんでいたのを覚えています」と齊藤さん。
「僕らを育ててくれたともしびがなくなって、何かの形で恩返ししなくては、という気持ちが湧いてきました」というのはケン。
その気持ちが〈ドアを開けたら 聞こえてくる〉という歌詞から始まる歌を生んだ。ケンが作詞作曲した「みんなのメロディー」。これをシノブがアレンジしてベイビーブーが歌い、ともしびにプレゼントしたのだ。