若いスタッフたちの支え

「『みんなのメロディー』が配信されたときは、感動しました」と齊藤さん。「動画の間に、『ともしび』の写真も出してくれて、本当に励まされた。そこについているコメントも、再開を待っているというものばかりでした」

「ともしび」の新宿店はなくなったが「歌声喫茶ともしび」としての活動は、「出前うたごえ」や「うたごえライブ配信」という形で続いていた。その配信を支えてくれたのは、ともしびの若いスタッフたちである。

母親がベイビーブーのファンだったという諒佑くんは、常連から転じてスタッフとなった。「コロナ禍になって、なんとかしたい、ライブ配信の可能性があるならがんばりたいと思ったんです」と今では欠かせない人材となっている。

「ともしびは、店長の齊藤さんはじめ、みんなが僕たちにやりたいことをやらせてくれる。ダメなときはダメだと率直に伝えてくれる。とても居心地がいいです」

短大時代、偶然、ベイビーブーの路上ライブに出会ったというきのぴーさんも「みんなで歌うって素敵なことだって、ここで教えられました」と話す。

「その日はたまたまいやなことがあったんだけど、ベイビーブーの歌に助けられたんです。だからベイビーブーが出ているというともしびに行ってみようと思ったけど、すっかりはまって、ベイビーブーがいない日にも来るようになった。アルバイトを始めてもう3年になります」と笑う。

歌声喫茶ともしびでは、自然発生的に若者のサークル「ぱれっと」もできた。メンバーは12人あまりいるという。