夜間頻尿の原因は重なりがち
夜間頻尿に悩む人の数が多いのは、原因が2つも3つも重なりがちだからです。主な原因は、次のようなことです。
原因(1)加齢により「夜は尿を作らせないホルモン」が減る
本来なら夜間の尿量は、日中の尿量に比べると極端に少ないのです。
睡眠中には「抗利尿ホルモン」という「尿を作らせない物質」が分泌されて、腎臓から出る水分量が抑制されるからです。
ざっくり言うと1日の3分の1は寝ているので、抗利尿ホルモンの働きがなければ、夜に1日の3分の1に当たる量の尿が出ることになります。
1日の尿量が1500mlなら夜に500ml出る計算ですが、そんなに出るなら睡眠中に1~2回は起きるでしょう。
起きなくて済むのは、抗利尿ホルモンが出ているからです。
夜の尿量は、どれくらいでしょうか。夜、トイレに行くのであれば、そのときに出た量を測って、それを1日の尿量で割り算すると、「夜間尿量率」がわかります。
これが33%以上あると、「夜間多尿」です。
実は、若いときには就寝中にたくさん分泌されていた「抗利尿ホルモン」も、加齢とともに減っていきます。そのため、夜に作られる尿量が増えるのです。
この「抗利尿ホルモン分泌の低下」による夜間多尿が、夜間頻尿の原因になるわけです。
なお、就寝前の「水やアルコールの飲みすぎ」も、夜間多尿の原因になります。
さらに「糖尿病、高血圧、心不全などの病気がある」ことも、原因の1つになります。