小児がんや難病などを患う子どもたちやご家族が、専門スタッフのサポートのもと安心して過ごすための「子どもホスピス」という施設があることを知っていますか? 子どもホスピスは、1982(昭和57)年にイギリスのオックスフォードで開設されました。脳腫瘍の子どものケアに疲労困憊するお母さんを見て、シスター・フランシスがその子を預かったのが始まりだそうです。ホスピスと聞くと、主に終末期のがん患者さんが最期の時を過ごす施設というイメージですが、子どもホスピスは、難病の子どもたちをケアするご家族の休息のために一時的に預かる役割があります。とはいえ日本ではまだ数が足りているとはいえない「子どもホスピス」のボランティアに携わっている、川田雅直さんに、その必要性と活動を綴っていただきました。
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日本ではまだ数少ない「子どもホスピス」
私たちは2004年から今に至るまで、東京の世田谷区にある成育医療研究センターをはじめとした子ども専門病院や子どもホスピスなどのボランティア活動のお手伝いを続けています。
最初のきっかけですが、この病院には大きなオブジェはたくさん有るのに、絵本が少ないことが気になりました。私は絵本が大好きで、楽しい時、落ち込んだ時、辛い時など絵本を見ると自然と元気になり、いつも勇気付けられてきました。
ここではたくさんのボランティアの方達がいて、私たちにも何かできる事はないかと考え、初めは絵本をプレゼントしていました。少しづつ続けていくうちにお庭のお花や絵本を購入したり、読み聞かせなどのイベントをするための資金集めをしたりも必要だと気づき、バザーも始め、たくさん人達に参加していただけるようになってきました。
また、皆さんと一緒にボランティア活動を重ねていく中で、「退院後のケア」も大切なことだと小児外科の先生からお話を伺いました。
日本ではまだ数少ない「子どもホスピス」の重要性を強く感じて、その必要性を広め、病気の子ども達やそのご家族に少しでも笑顔になってもらう為の活動をしたいという思いをより強く持つようになりました。