子育ては初めての登山に似ている
私が今、登山についてイメージしていただいたのには理由があります。
それは、登山と子育ては、実はとてもよく似ているからです。子どもの育ちを助ける「子育て」という大仕事もまた、登ったことのない大きな山に登るような長期の挑戦だからです。だからこそ、不安やプレッシャーも大きくなって当然なのです。
あれこれと情報を集めたり、「これがいい」と勧められたものをリュックにどんどん詰め込んだりしてしまう。
「これも必要かもしれない」
「あれも持っておいたほうが安心だ」
そうして、不安を解消するために次から次へと詰め込んでしまうのです。でも、リュックが重くなるほど、前に進むのが大変になってしまいますよね。
子育てにおいても、同じようなことが起きているかもしれません。子どもにとって“今”必要かよりも、不安を打ち消し、失敗しないために、後悔しないために、あれもこれも詰め込んでしまうことが。
しかし、重いリュックを持って進むのは疲れてしまいます。そもそも、リュックに何を入れたらいいか、どのルートが良いのかわからず迷っている間に日々が過ぎ、子どもはどんどん成長していくため、ますます不安と焦りが募ります。
そんな焦りや不安を抱えていること自体は、とても自然なことです。何も知らない中でスタートした子育てという登山。だからこそ、登山のように何が必要で何が必要ないのかを考えることが大切なのです。