阿川 唱くんは、おふたりの息子であることを伏せておきたい、と思う期間がしばらくありましたよね。

平野 言っちゃいけなかったの。ずいぶん我慢した。

清水 レミさんを黙らせておくのは、難しいことだしね。

阿川 うっかり話したら、怒ってごはんを食べてくれなかったりしたのよね。

清水 そういう意味じゃ、和田家はみんな控えめ。私、ドラマに出てみて「やっぱり演技は照れとの戦いだな」って思ったけど、レミさんも恥ずかしがり屋だから、セリフを言えそうなイメージがない。

平野 あら、でも私、黒澤明と伊丹十三から「映画に出てくれ」って言われたことあるのよ。

阿川 え、ほんと? すごいじゃない。なんの映画? 『乱』?

平野 なんだか知らない(笑)。話がきた瞬間、断っちゃったから。あ、そうだ。そういえば加山雄三さんがね。

阿川 また、急に話がとぶ……。なに? 黒澤明の話?

平野 そうじゃないのよ。あの人、脳梗塞だったじゃない。それが快復したんだけど、今朝だったかな、みんなに見守られながら……。

阿川 えっ

平野 朝ごはん食べたって。

阿川・清水 (爆笑)

平野 やった! 成功した。私、途中で笑っちゃうから、なかなかうまくいかなかったのよ。佐和子ちゃんが「えっ」って言った時、うまくいったと思ったね。

清水 さすが「聞く力」。

阿川 これはもはや「促す力」だな。司会進行の参考になった?

清水 うん、勉強になった(笑)。この連載もがんばるわ。


本連載が書籍になりました

多彩で豪華なゲストは、計25組・50名!