「SNSを通じて認知が意外な方向に広がっていくのを、驚きつつもありがたく受け止めています」(撮影:木村直軌)
松平健さんの主演ドラマ『暴れん坊将軍』が17年ぶりに復活することが発表されました。2025年1月4日の21時から、テレビ朝日ドラマプレミアム『新・暴れん坊将軍』として放送予定です。監督は、映画『クローズZERO』の三池崇史さんが、脚本は、大河ドラマ『青天を衝け』の大森美香さんが担当。還暦となった八代将軍・徳川吉宗が、“世継ぎ問題”で苦悩するというストーリー。松平健さんが芸能生活50年を振り返った『婦人公論』2024年5月号のインタビュー記事を再配信します。


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ある時は時代劇スターとして、ある時はド派手な衣装に身を包んだエンターテイナーとして、あらゆる世代から愛される松平健さん。視聴者を楽しませ、新しい挑戦を続ける姿勢の原点には、師匠・勝新太郎さんの言葉がありました(構成=上田恵子 撮影=木村直軌)

初めての時はお客さんが引いていた

今年、芸能生活50年を迎えます。持ち歌の「マツケンサンバII」のおかげで、小さなお子さんや若い人まで私のことを知ってくださっているようです。

先日もバラエティ番組のロケでゆいちゃみさんという方とご一緒した際、「TikTokで見ています!」と言われました(笑)。SNSを通じて認知が意外な方向に広がっていくのを、驚きつつもありがたく受け止めています。

この「マツケンサンバII」は2004年に発売された楽曲です。もともと私の舞台では、第一部は芝居、第二部は歌と踊りのショーをお見せして、フィナーレでお祭り騒ぎのように盛り上がって帰っていただくという演出をしていました。

最初は「松健音頭」「マツケンマンボ」といった曲を披露していたのですが、徐々に「もっとテンポの速い曲をやろう」ということになっていき、ラテン系の「マツケンサンバI」「マツケンサンバII」が誕生したのです。

金のスパンコールのコスチュームは、「サンバだから、リオのカーニバルを着物でやったらどうかな?」と思いついたもの。たまたま訪れたニューヨークの生地専門店でスパンコールの生地を見つけ、「これを衣装にしよう」とひらめいたのです。着物だけキラキラしているのもおかしいから、頭にも金の飾りを付けてね。

それまであんな着物を着た人はいなかったと思うので、初めてその出で立ちで登場した時は、お客さんが引いていましたね(笑)。私はすごく楽しかったです。

2020年には、「マツケンTube」というYouTubeチャンネルを立ち上げました。これはコロナ禍で環境が大きく変わり、あらためて仕事の大切さに気付いて始めたものです。

25年間続いた時代劇『暴れん坊将軍』が終了したのが2003年。ずいぶん経ちましたが、最近は「サンバ」をきっかけに「暴れん坊」に興味をもって、時代劇専門チャンネルなどで見てくださる方も多いのだとか。

『暴れん坊将軍』に出演していた頃は、役のイメージを崩さないように、仕事選びに気を付けていました。が、終了した今は、仕事の範囲を広げると決め、オファーされたものはできるだけお受けする方向でいます。