卒業の危機
苦しかった私が高校になんとか通えていたのは、東京での芸能活動があったからだ。
事務所やテレビ局に行くと、プロフェッショナルな大人たちがいる。愚痴をこぼしながらも、楽しそうに本気で仕事をしている。広い世界の一部を感じられていたから、悩みながらも学生と芸能活動を両立できたのだと思う。
それでも親友と絶縁したり、後輩がやっている裏アカでの発言に戦慄したり、学校での人間関係に翻弄されて、欠席した授業もたくさんあった。
私の通っていた高校は単位制で、高3も終わりに近づいた頃、卒業に必要な単位が取れてないことがわかった。事務所の人には、仕事にちょこちょこ行っていたせいで単位が足りなくなっちゃったんです、と説明したけれど、実際はつまらない意地を張って行ける時に行っていなかったのが原因だ。
このままいくと卒業できない。