二枚看板

菅野はその後、8月25日の中日戦に先発し、7回1/3を被安打5で12勝(2敗)まで勝ち星を伸ばした。

だが、7月からこの日までの先発時の相手チームはヤクルト、DeNA、中日、DeNA、ヤクルト、中日、DeNAと下位チームばかり。しかも登板間隔はいずれも中6日で、ローテーションの順番は山崎伊織(「崎」は正しくは「たつさき」)、グリフィン、戸郷翔征、西舘勇陽、井上温大だった。

『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』(著:広岡達朗/朝日新聞出版)

つまり中日戦前の首位・広島との直接対決には菅野の出番がなかった。

山崎・井上の成長と頑張りがあったとはいえ、カード変わりの3連戦には必ず戸郷と菅野の新旧エースが交代で先発登板してほしかった。そうすれば、どのカードも二枚看板が先頭に立ってチームを牽引することになる。