乙丸もいとも「姫様」と呼びかける
すると乙丸は血相を変えて、まひろの元に駆け寄ります。
口を開くと「姫様…。私を…おいていかないでくださいませ」とまひろに懇願した乙丸。
すっかり老いた乙丸に「遠出は無理」とまひろは伝えますが、おいていかないで、と譲らない乙丸は「どこまでも…どこまでもお供しとうございます。どこまでも…」と続けるのでした。
それから今度は惟規の乳母・いとがまひろの元へ。
そのいとは「姫様。若様はどちらに?」とまひろにたずねます。
なお”若様”こと惟規は、父・為時が越後守に任じられた寛弘八年(1011)のうちに亡くなっています。