英語が聴き取れない問題

多くのELFユーザーの経験を聞いてきて、英語のミーティングに参加する際、最初に直面する壁は聴き取りにあるので、(1)に「リスニングについていけない」を挙げた。聴き取れないと何もできない。一方、聴き取れればある程度の対処法はある。

会議で英語が半分も理解できていないと感じたら、その議論への参加はかなり難しい。よく聴き取れないまま何も言わずに出席し続けると、重要な決定が行われた際にあとで覆すことはまずできない。参加して何も発言しなければ、それは同意したと解釈される。

また、議論のおおまかな流れはつかめても、詳細が聴き取れず、価格や納期などの重要事項を誤解するリスクもある。はっきりと理解できないまま、流れに押されて議論に同意するのは避けたい。

そのため、重要な会議にある程度の責任をもって参加する際に聴き取りに問題があると感じるなら、そう申し出て、通訳を頼んだほうがいい。また、英語が堪能な同僚に同席を依頼し、会議中に内容を随時確認する方法もある。

さらに、状況が許せば「英語にまだ慣れていないので、今回は傍聴者として参加させてほしい」と主催者に予めはっきり伝えるのもひとつの選択肢だろう。

こうした対策を言い出しにくくて、聴き取れるふりをして会議に出席すると、大きな誤解を招く原因となりかねない。自分から言い出さなくても、周りが自分の英語力不足を察し配慮してくれるだろうと期待しても、そうはならないことが多い。

一方で、リスニングに不安があるが自力で乗り切る必要がある状況では、考えられる対策は4つある。

(A)事前準備
(B)議論の文字化
(C)会議の進め方の変更
(D)会議後のフォロー

これらの対策は、聴き取りを容易にするだけでなく、自分の意見を言う準備や、発言の機会をつかむのにも役立つ。詳しく考えよう。