俺はお前の親だ
父とのやり取りを3時間も繰り返したが、父はついに食べられなかった…。ひ孫たちと時間を張り合いにして、父が生活への意欲を取り戻すのを期待していたが、そうはならず。ひ孫と過ごすのが楽しかった分、父は疲れてしまったのだろうか。また私が思うより負担もかかっていたのかもしれない。
不明瞭な発言を繰り返す父の様子が怖くもあったが、私の気持ちを悟られてはいけないと懸命に父とのやりとりを繰り返した。でも根負けしてしまった。
これからもずっとこの日のようなやりとりが続くのだろうか。かつての父はもう戻ってこないように思え、深い穴に投げ込まれたような気分になり、怖くてたまらない。
第49話へ続く。
とんがりめがね
漫画家・デザイナー
大阪府出身。フリーランスのデザイナーとして働きながら、インスタグラムで子育てエッセイ漫画を投稿。「オーマイ・ダッド!父がだんだん壊れていく」が連載漫画、作画デビュー作。
インスタグラム@tongari.megane_digital
ブログ「※あくまでウチの場合。」
https://tongarimegane.napbizblog.jp
森久美子
作家・拓殖大学北海道短期大学客員教授
1995年朝日新聞社北海道支社主催「らいらっく文学賞」に入賞。以来、多数の連載を持つほか、「食と健康」がテーマのラジオ番組のパーソナリティを務める。農林水産省・食料農業農村政策審議会委員などを歴任。著書に『ハッカの薫る丘で』(小社刊)『古民家再生物語』(小社刊)など。2022年より拓殖大学北海道短期大学客員教授