おばあちゃんが亡くなる日
時代背景もあるとはいえ、母は、介護支援をしてもらえない苦しみを抱えていた。しかもつらい思いを父には隠しているようだった。
一生懸命に介護をし、大変だと思わないように努力していた母。そんな母を私は誇りに思っている。だけど……早くに亡くなってしまった。その事実をどう受け止めたらいいんだろう。
もちろん介護との因果関係はわからない。母は介護を頑張っていたし、私もわずかながら介護の経験者だ。だから私には介護を頑張りたい気持ちがある。でも娘が介護をするのが当たり前だと思っている父に対する不満もあり、相反する気持ちがいつも拮抗しあっている。
でもつらいときはつらいと言っていいはず……。
とりあえず、これからまた父の様子を見にかなければならない。
第51話へ続く。
とんがりめがね
漫画家・デザイナー
大阪府出身。フリーランスのデザイナーとして働きながら、インスタグラムで子育てエッセイ漫画を投稿。「オーマイ・ダッド!父がだんだん壊れていく」が連載漫画、作画デビュー作。
インスタグラム@tongari.megane_digital
ブログ「※あくまでウチの場合。」
https://tongarimegane.napbizblog.jp
森久美子
作家・拓殖大学北海道短期大学客員教授
1995年朝日新聞社北海道支社主催「らいらっく文学賞」に入賞。以来、多数の連載を持つほか、「食と健康」がテーマのラジオ番組のパーソナリティを務める。農林水産省・食料農業農村政策審議会委員などを歴任。著書に『ハッカの薫る丘で』(小社刊)『古民家再生物語』(小社刊)など。2022年より拓殖大学北海道短期大学客員教授