今場所最大の期待と話題
今場所最大の期待と話題は、先場所14勝1敗で初優勝した大関・琴櫻。そして琴櫻に千秋楽で敗れ、13勝2敗となった大関・豊昇龍の横綱ダブル昇進である。実現したら、北の富士と玉の海のダブル昇進以来55年ぶり。その前は柏戸と大鵬がダブル昇進している。
ところが、初日に琴櫻は用心深い相撲で隆の勝を寄り切ったものの、2日目は小結・阿炎の腕の長さを活かした突っ張りに完敗。琴櫻の魅力を全く見せられなかった。
一方、豊昇龍は、場所前の稽古総見をニュースで見ても闘志むき出し。その闘志を継続して、初日は元大関の前頭筆頭・霧島を速攻で寄り切り、2日目は何をやるかわからない前頭2枚目・翔猿に、何もさせずに素早く寄り切った。豊昇龍は、目じりが吊り上がり、体重の増えた体からも、野生的な勝負師の魂が燃えたぎっているように見える。勝つことしか考えていない豊昇龍は怖いぞ。ただし、境川親方は「空回りしなければよいが」と言っていた。
さて、出世の速さに髪が伸びるのが間に合わず、ちょんまげのまま昨年2回も優勝した大関・大の里が初の大銀杏で3回目の優勝をするのかも見もの。初日は土俵際で前頭2枚目・翔猿にはたき込まれ、バッタリと倒れた。2日目の大の里は霧島と対戦。途中、霧島に強烈な張り手を食らわした。霧島の顔に大の里の手形がついてしまったのではないかと心配した。大の里の手形は色紙に押すだけにして欲しい。大の里はバタバタ相撲の感じが強くて、美しい大相撲を師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)に伝授してもらってから、横綱になって欲しい。
3大関は個性がそれぞれ違い、面白さは抜群だ。