「今、アメリカだけでなく世界中で民主主義のあり方が問われています」(安藤さん)

トランプ政権、
日本への影響は……

安藤 では2025年はどんな年になると思いますか。たとえば日米の関係ですが。

渡辺 トランプ政権になっても、しばらくは米国内のことが優先されるでしょう。人事問題に続き、いわゆる「トランプ減税」の延長や、公約にした不法移民の大量送還。外交では対中政策や、ウクライナ・ロシア問題と、向き合わなければいけない問題が山積している。

最初の半年ぐらいは、日本に対してあまり積極的な働きかけはないと思います。日本では7月に参院選もあるし、石破政権の基盤が本当に盤石なのかをまずは見極める、というのが、アメリカのスタンスではないかと思いますね。

安藤 ウクライナ・ロシア問題やパレスチナ問題に関して、アメリカは今後どうかかわっていくのでしょうか。

渡辺 トランプは、ウクライナの問題はヨーロッパがより強く関与すべきで、アメリカはメキシコの国境の管理強化に注力する、という立場です。ウクライナへの支援をかなり削減するのではないかとも言われており、その結果、短期的に見ると戦争が終結するきっかけになるかもしれません。