〈発売中の『婦人公論』2月号から記事を先出し!〉
4年ぶりにアメリカ大統領の座に返り咲いたトランプ氏。ヨーロッパや中東では紛争の収束が見えず、中国や朝鮮半島の情勢も楽観視できないなか、世界情勢はどうなっていくのか。日本への影響は? 大国アメリカと中国社会の読み解きを入り口に、専門家たちが2025年の動きを予測する(構成=古川美穂 撮影=本社・武田裕介)
4年ぶりにアメリカ大統領の座に返り咲いたトランプ氏。ヨーロッパや中東では紛争の収束が見えず、中国や朝鮮半島の情勢も楽観視できないなか、世界情勢はどうなっていくのか。日本への影響は? 大国アメリカと中国社会の読み解きを入り口に、専門家たちが2025年の動きを予測する(構成=古川美穂 撮影=本社・武田裕介)
各国に共通する 経済悪化と社会不安
安藤 中国では頻発する通り魔的な事件も注目を集めています。特に24年9月に深圳で日本人学校の児童が襲撃されたことには日本中が大きなショックを受けました。あの事件の背景には何があるのでしょうか。
中島 真相は誰にもわからないし、これからも中国政府は明らかにしないでしょう。ただ日本では「日本人だから狙われた」と思われていますが、そうではない可能性もあります。それぐらいあちこちで無差別殺人事件が起こっているのです。
安藤 犯人や動機に共通点はあるのでしょうか。
中島 人物像も世代もバラバラです。日本人学校の襲撃犯は44歳、11月に広東省で起きた乗用車暴走で35人が死亡した事件の犯人は62歳、同じ月に江蘇省で専門教育学校を襲ったのは21歳の男性でした。
社会的に弱い立場の人も、それなりにお金があった人もいる。単純な原因分析はできませんが、やはり経済の悪化と社会の不安定化は大きいと思います。