教授の責任
けれども、自分の権力を振りかざすような教授に当たってしまえば、素直な学生ほど教授の顔色ばかりを気にしたり、同じように威張り散らしたりするような医者になっていくのは目に見えています。
これは本人に「医者としての適性」がなかったせいではなく、見本となる教授の責任なのです。
また、「医者としての適性」を見極めるという建前になっている入試面接を突破したことで、「医者に向いている立派な人間だ」というお墨付きをもらったのだという勘違いは、「自分もいずれ教授になって威張り散らしてやろう」などというモチベーションにつながり、結局似たような人間に育っていく可能性がさらに高くなるのではないでしょうか。
※本稿は、『ヤバい医者のつくられ方』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『ヤバい医者のつくられ方』(著:和田秀樹/扶桑社)
精神科医・和田秀樹が大激怒!
医学部入試面接や高額な社会保険料……日本の医療に物申す。