卒業後に医者にならないことが問題視される理由
法学部を出たら必ず裁判官とか弁護士にならなくてはいけないとか、教育学部を出たのなら必ず教師にならなくてはいけないという話にはならないのに、医学部だと卒業後に医者にならないことが問題視されるのは、医学部で医者になるための教育を施すのに一人当たり年間1000万くらいかかると言われているからです。
国公立大学の場合にはその大半が国からの補助金、つまり我々が払う税金が投入されています。それだけのお金を注ぎ込んでいるのだから、医学部には確実に医者になってくれる人間だけを入学させるべきだという話になったのです。
多額の税金が投入されることでそのような制約が生まれるのであれば、必要な人には十分な奨学金を用意することを前提に、国立大学の医学部はもっと学費を上げてもいいのではないかと私は思います。
あるいは親の所得によって学費を決めるというやり方もあります。医学部に子どもを入れたがる親もまた医者だったりして十分な所得があるケースがかなりの割合でいるでしょうから、もちろん安いほうがありがたいのは確かだとしても、多少上がったところで子どもを医学部に行かせることを躊躇するようなことはないのではないかと思います。