別のかたちの社会貢献
医者になると言うから税金をつぎ込んだのにほかの仕事につくのはけしからんという議論があるのなら(実際にはこれ以上の税金の無駄遣いなど世の中にはたくさんありますが)、ほかの大学の医学部でも、卒業後に医者(あるいは医療に貢献できる研究者)ではなく別の仕事を選んだ場合は、その人を医者として育てるために国が投入した補助金と同等の額を違約金として徴収するというやり方は検討の余地があるのかもしれません。
どうしても税金を取り戻したいというのなら、医者にならなかったことで発生する違約金を、その人を採用する一般企業が負担することにするのはどうでしょうか。
そうすれば医者とは違う道を選んだ人が高額な違約金を自己負担することなく、別のかたちで社会に貢献することができます。
※本稿は、『ヤバい医者のつくられ方』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『ヤバい医者のつくられ方』(著:和田秀樹/扶桑社)
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