子どもや老後のためにお金を貯めるのに必死で、幸せな気持ちで生活できていない方もいるのではないでしょうか。1級ファイナンシャル・プランニング技能士の磯山裕樹さんは、会社員時代に仕事と育児の両立で悩んでいましたが、家計を整えたことで、家族で楽しく過ごすことができるようになったといいます。そこで今回は、磯山さんの著書『一度始めたらどんどん貯まる 夫婦貯金 年150万円の法則』から、ムリなく家計を改善するためのポイントを一部ご紹介します。
投資が先か、借金の返済が先か
投資か借金の返済かは、家計全体で判断する
2024年から新NISAも始まり、投資がブームになっています。そんななか、「投資の利益よりも、借金の損失が大きいのに投資をしている」ことがあります。借金で金利を15%支払いながら、iDeCoやNISAで投資しているなどです。投資で15%の利益を出すのは、現実的ではありません。
たとえば、100万円を投資していて、5%の利益がでていると、年間5万円の利益です。一方、同時に、100万円の借金をしており、15%の金利を支払っていると、年間15万円の損失になります。両方を考えると10万円のマイナスになります。
この場合だと、投資をやめて借金の返済にあてたほうが、5万円の利益はなくなるが、15万円の損失もなくなるので、家計全体から考えると合理的です。
先ほどの例で、100万円の金利1%の住宅ローンがあるとすると、年間1万円の損失です。投資で5万円の利益、借金で1万円の損失なので、トータル4万円のプラスになります。これであれば、借金と投資を両方継続したほうが合理的です。