生まれながらの運不運があるのも事実です。日本は昨今、格差社会が固定化しつつあります。数年前、「親ガチャ」なんていう言葉が流行りましたね。裕福な家庭に生まれるか貧困家庭に生まれるかで、その後の人生が決まるような面もある。
さらに国を超えて考えると、例えば日本に生まれるのかガザに生まれるのかで、運命は大きく変わってしまう。
日本経済は凋落傾向にあり、精神的に不安感や不幸感を抱いている人が多いとはいえ、幸いコンビニで気軽に食べ物を買ったり、自由にエンターテインメントを楽しんだりすることもできます。
一方で世界には爆撃にさらされている国があるし、子どもたちが飢えや感染症で死んでゆき、そこいらに死体がゴロゴロ転がっている現実がある。どの国のどんな家庭に生まれるかは、自分で選択したことではありません。逆らいようのない運命なのです。
加えて、どのような資質を持って生まれてくるかも、努力でどうにかなるものではないと思っています。少々極端な喩えですが、ドジャースの大谷翔平選手は、体格にも健康にも運動神経にも恵まれて生まれてきた。
もちろん人一倍の努力もしているでしょうけれど、「努力できる性格」というのも持って生まれたものだと思います。しかも彼はいい気にならず、謙虚です。
そういう意味では、すべての「幸運」をまとってこの世に生まれ落ちた、強運の持ち主と言ってもいいかもしれません。