仕事も私生活も順風満帆の高畑充希さん。幼少期から志していたミュージカル俳優の夢を叶え、朝ドラをきっかけに、ドラマ、映画でもさまざまな役柄で活躍しています。進化を止めない彼女の考え方とは(構成:篠藤ゆり 撮影:木村直軌)
うまくいかない時こそ変われるチャンス
ゲン担ぎと言っていいかどうかわかりませんが、自分の中では、「頑張らない」をモットーにしています。もちろん仕事の準備や練習はできる限りしますが、私の場合、本番ではあまり気張らずに、楽な気持ちで取り組んだほうが、いい方向に転ぶことが多い気がしているんです。
「この一回で一番いいものを見せなければ」と思うと、どうしても、そこに合わせにいってしまう。「ベスト」を目指すと、それ以下にしかならないことがけっこうあります。
でも、仕上がりのことを考えずにフラットな状態で現場に立ち、その一瞬一瞬に心を動かされることへフォーカスすると、予想以上の結果になることがあって。ですから舞台でも、毎回、気持ちをゼロに戻してから立つようにしています。
それに、「これがいい形だ」と決め込んでいると、計算式みたいになって心が固まっちゃう気がするんです。失敗してもいいから自由にやったほうがワクワクするし、この仕事を長く続けていくなら、やっぱり「楽しい」と思えたほうがいいですから。