なぜ賃貸用住宅は増え続けるのか
空き住戸が増えているのに賃貸アパートなどの賃貸用住宅を建設する理由は何でしょうか。当たり前ですがアパートを建設する需要があるからです。都市部に広い土地を持っていると、固定資産税等の負担は馬鹿になりません。さらに相続にあたって多額の相続税を負担することとなり、状況によっては大事な土地を手放さざるを得なくなります。
そこで空いている土地に賃貸マンションやアパートを建設しようという動機が生まれます。更地で相続するよりも賃貸用資産にしていれば、相続評価額を圧縮できるからです。なおかつ建設代金を借入金で賄(まかな)えば、元本部分を評価額から控除もできるので、「とりあえず」賃貸マンションやアパートにしておこうというわけです。
ただ地主の多くは賃貸経営の素人(しろうと)です。とにかく戸数を稼ぎたいアパート業者、多額の融資が実行できる銀行員、相続税をなるべく少なくすることが実績にもなる税理士が、節税手法としていかに有効であるかを説きます。
本当に大丈夫かとの問いには、アパート業者が一定期間入居保証などを約束しますので、オープンから10年程度は安泰に映ります。