マンション空き住戸率は約10%にも
共同住宅と言ってもいろいろな構造形態のものがあります。このうちマンションに多い鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)および軽量鉄骨アパートやタワマンなどの構造に該当する鉄骨造(S造)の共同住宅空き住戸数をカウントすると、その数は403万6000戸になります。
ただこの数値のなかには多くの賃貸住宅が含まれています。そこで軽量鉄骨アパートなどは賃貸アパートのケースが多いため、これらを除いた個人住宅空き家でカウントすると、SRC造・RC造およびS造の個人所有共同住宅の空き住戸は70万7000戸になります。この数値がおおむねマンションの空き住戸であると考えてよいでしょう。【図表2】
国土交通省の調べでは2022年末におけるマンションストック数は694万3000戸。何とマンション空き住戸率は10.2%にも達しているのです。
マンションは戸建て住宅と異なり、一目(ひとめ)で空いているかどうかを判断できません。郵便受けが郵便物やチラシであふれてしまう、あるいは管理費や修繕積立金の滞納などによってその状況がわかるものですが、はたから見て気づきにくいがゆえにいろいろな問題を内包しています。