2年前、店長の晶子さんが長年の夢だったパン屋さんを開く際、3人に声をかけたのだ。
「年齢的に厳しいなあと思ったんですが、できることがあるならしてあげたくて」とさいさんが言えば、隣で光繪さんも「私も娘を助けたいという思いが一番にありました」とうなずく。
営業日は月にもよるが、火・水・土曜の週3日。火・土曜が12時半頃から18時頃まで、水曜が7時頃から18時頃までだ。パンを焼くのは店長の晶子さんで、3人は接客のほか、パンに具をはさみ、ラッピングして並べる作業を担当している。
特に神経を使うのはお会計。計算を間違えられないのはもちろん、現金か電子マネーか、イートインか持ち帰りかなど、確認すべきことが多いのだ。
「皆さん、『こんな複雑なレジが打てるなんてすごい』とか『急がなくていいですよ』と気遣ってくださるのですが、テキパキできないのが申し訳なくて」と3人は恐縮するが、訪れる人はむしろ、そのゆったりとした所作に癒やされているのではないだろうか。
お客さんのなかには楽しそうに働く彼女たちをうらやむ同世代や、「母に見せたい」と親を連れて来る人も。それも納得の、元気をもらえる空間だ。