長年の夢だった「理想の庭」をつくろう!と思い立ち…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは兵庫県の70代の方からのお便り。夫婦で住んでいた家を更地にし、小さな家を建てたことから「理想の庭」作りが始まったそうで――。

映画のような《理想郷》

5年前、夫と住んでいた家を更地にして小さな家を建てた。夫が亡くなってから、別の市で障害者介護の仕事を見つけ、そちらに家を借りているので、もとの家をどうしたものか悩んでいたのだ。そこで、長年の夢だった「理想の庭」をつくろう!と思い立った。

まずは設計図から。アーチやオブジェ、ビオトープがあって、岩が並んだ素敵な庭がいい。アトリエも建てよう。

膨らんだ夢を実現すべく、さっそく庭に砂利を敷いた。次は、夫が趣味で集めていた石の配置だ。形見のように残された中央の大きな石を囲むようにほかの石を並べ、畑の土を運んで苔を敷く。長く封印されていた井戸を開き、庭に水を引いた。穴を掘って憧れのビオトープもつくり、メダカを放つ。

月に4〜5回、帰るたびに少しずつできあがる私の《理想郷》。庭好きの隣の畑の人は、庭と隣接するところにポプラなど素敵な木を植えてくれた。まるでお庭が森に包まれているようだ。