<今月のひとこと>

人が集団になった時

息子たちと先日テレビを見ていたら、『NHKスペシャル 「新ジャポニズム」第1集 MANGA わたしを解き放つ物語』という番組が放送されていたの。

それまで高尚な存在だった絵画が、江戸時代に「誰が描いてもいいし、自由な発想でいい」ものに変化し、写楽や北斎、歌麿などいろんな絵描きが《俺の流儀》で浮世絵を手がけるようになったと。

それが今の漫画ブームにも似てるんじゃないか、というところから、息子たちと「やっぱり日本の漫画ってすごいな」という話をしたんだ。

僕はそんなことを語り合いながら、人間ってのは面白いなと思った。今、窓の外をふっと見てみると、交差点で信号待ちをしている人たちがいる。サラリーマンはみんな同じような格好をしているけれども、中身はそれぞれ違って、好きなことを考えてる。

だけど集団になった時にどうなるか。たとえば今の韓国では大統領を推す人と弾劾する人、アメリカは大統領選挙で共和党支持と民主党支持で完全に分断された。

そもそも聖書の時代だって、さっきまでキリストを称えていた民衆が急に十字架にかけろと言ったり……。集団は良いほうに向かえばいいけど、悪いほうに進んだ時はとんでもないことになっていくんだよ。