パレスチナとイスラエル、ロシアとウクライナの間の戦争だって、そうだよね。先の『MANGA』の番組では、日本の漫画が好きだというウクライナの10代の少女が、「攻められたから取り返すっていうことが、戦争を終わらせるわけじゃないんだ」と考え始めている様子を映していた。

3月から始まるミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』は、革命が迫る帝政ロシアに生きる家族の物語なんです。

前回『屋根の上~』が上演されたのは2021年で、ロシアのウクライナ侵攻は始まっていなかった。世界情勢が激変しているなか、場所も時代も違うけど、決して遠い話じゃないんだよ。だから今回は今まで以上に、リアルさを大事に作っていきたいと思っているんです。

僕が演じる主人公のテヴィエは、鳳蘭さん演じる強力な女房と5人の娘の家長として、初っ端に出てきて最後に引っ込むまで、ドーンと生きなくちゃいけない。大変なドラマだけど、この舞台の家族の姿からも何かを受け取ってもらえたらいいなと思います。

そういえば、正月の大涌谷は外国からの観光客でいっぱいで、みんな争うことなく並んで黒たまごを買ってたよ。世界がこうなればいいよね。