ショーを開催した場所は、プラハにあるお城の遺構。建築家ボレック・シペックさんと、演出家バンビ・ウデンさんというチェコが誇る巨匠たちとのコラボレーションということで、特別にそこでショーを行えることになりました。

お城の地下に残っていた7つの部屋を使ってショーを行い、お客様が部屋を巡りながら観るスタイルに。最後の部屋では、浄瑠璃の一派である新内節(しんないぶし)のお師匠さんが三味線を弾く演出をすることにしました。

けれど、古い建物というのは不思議なことが起きるようで、会場の準備中にゾッとするできごとがあって……。スタッフが会場に設置したスピーカーやアンプ、舞台装置などが、翌朝になると全部違う場所に移動しているのです。

当然、帰宅する際には鍵をかけていますし、ましてや人が一人で動かせるような重さではありません。いわゆるポルターガイスト現象が起きていたのですね。それが1週間も続き、スタッフたちが「怖いから、もうやめたい」と言い出す騒ぎになりました。

みんなで話し合った結果、「牧師さんにご祈禱をしてもらうしかない」ということになり、パリから招くことにしたのです。そうして各部屋をまわってもらい、7つ目の部屋でお祈りを終えた途端、ドッカーン! とものすごい雷鳴が響き渡って……。もう、驚きと恐怖でみんなで震えあがってしまったの。(笑)

でも牧師さんは「建物から霊が抜けたようだ」とおっしゃり、その後、不思議な現象はやみました。無事にショーを終えることができたのだから、お祈りの効果はあったはず。そんな不思議な体験もしているんですよ。