オックスフォードの留学生活で得られたものは何でしょうか。
――英国での5年間の留学生活では、海外に流出した日本美術をテーマに調査研究を行いました。300ページ以上におよぶ博士論文を英語で書き上げ、皇族であることと関係なく、「英国の最高学府で博士号を取った」ことは、私にとって大きな自信となりました。
その実績があったからこそ、最初の本を書くよう勧められ、現在の仕事や活動にも繋がっていると思うのです。
ですから今も、「研究者という立場を忘れない」という気持ちは強く持っております。帰国後にさまざまなご公務をいただき、研究する時間を確保しづらい時期もありました。
ですが、依頼された論文をどうにか仕上げた時は「やっぱり楽しい」と感じます。私の原点はここだと痛感し、年に一本は論文を書くことを自分に課しています。