最近では、国内で研究できることや、私の立場を生かしたテーマも増えてまいりました。
たとえば、「女性皇族の衣装の変移について」という論文は、江戸時代まで公家装束しかお召しにならなかった皇族方が、明治の御代に突然、洋装を第一礼装と定められた過程に関しての考察をテーマとしています。
時代ごとにどのような選択と変化を経て、現在の女性皇族が宮中行事で着る衣装となったのか。
幸いにも私は、祖母である三笠宮妃殿下から、実際にお召しになられた衣装や、周りの方々の衣装について貴重な証言をいただくことができましたので、論文に生かすことができました。
<後編につづく>
作者:彬子女王
出版社:PHP研究所
発売日:2024/4/3
作者:彬子女王
出版社:毎日新聞出版
発売日:2024/7/16
彬子女王
皇族
1981年、寛仁親王殿下の第一女子として誕生。学習院大学を卒業後、オックスフォード大学マートン・カレッジに留学。日本美術史を専攻し、海外に流出した日本美術に関する調査・研究を行う。女性皇族として初めて博士号を取得。京都産業大学日本文化研究所特別教授、京都市立芸術大学客員教授。子どもたちに日本文化を伝えるための団体「心游舎」を創設し、全国で活動中。著書に『日本美のこころ』など。寛仁親王殿下の著書『ひげの殿下日記』の監修を務めた