「自分がテレビに出ることで少しでも平和に寄与できるなら、こんな素敵なことはないと思ったの」(撮影:下村一喜)

長く続けることの寂しさと楽しさ

『徹子の部屋』では、毎年8月15日前後に、ゲストの方に戦争体験を語っていただいています。それは、平和な世の中を実現するために何かするのが、テレビの大きな使命のひとつだと考えているからです。

NHKがテレビ放送を始めるにあたって、当時アメリカのNBCのプロデューサーだったテッド・アグレッティーさんという方が、技術的なことも含めていろいろアドバイスをしてくださったんです。

私たちも講演を聞いたんですけど、その時、「これからテレビで、よそのうちの晩ご飯も、どこかの国の結婚式も見ることができる。そして戦争さえ、家のテレビで見られるようになる。テレビには力があるから、それを見てみんなが戦争は本当にイヤだと思ったら、平和に寄与できるはずだと」とおっしゃった。

私は子ども時代、戦争を経験しているので、本当に戦争がイヤでたまらないんです。ですからその話を聞いて、自分がテレビに出ることで少しでも平和に寄与できるなら、こんな素敵なことはないと思ったの。

だからいろいろな方からお話を伺うようにしてきたんですけど、だんだん戦争経験者もいなくなってきました。