治療も費用も負担は大きい

実はインプラント周囲炎の治療は、インプラントを入れる治療よりも難しくなるケースもあります。

軽度のインプラント周囲炎の場合は感染の原因となっている細菌を取り除くために、状態に応じて抗生物質の投与やレーザー機器による除染などを行います。

中等度から重度の場合は外科的な処置が必要となり、特にインプラント周囲炎の進行によって骨が溶けてしまった場合は、元の骨の状態まで戻す再生治療を行うことになります。最悪の場合は、せっかく入れたインプラントを除去しなければいけないケースもあるのです。

こうした治療の難しさもさることながら、治療にかかる費用負担もかなり大きなものです。その理由として健康保険が適用されない治療が多いことがあります。一部の細菌除染やインプラントの抜去は保険適用となる場合がありますが、ほとんどの治療は自由診療となります。

また、使用する機器や材料、薬などが非常に高価なことも理由です。治療にかかる費用はケースにもよりますが、軽度の治療でも5万円以上、骨の再生治療の場合は40万円以上かかることもあります。

ただ、以前はインプラント周囲炎になると歯肉を切開する外科治療を行うことが多かったのですが、先述したレーザー治療をはじめ、失われた骨や歯肉の移植が可能になるなど、治療も進歩しています。