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歯が失われた場合の治療法の一つ、「インプラント」。失った歯の代わりに人工の歯根を埋め込む、という治療法を指しますが、外科治療が必要なうえ、かかる費用が高額なことでもよく知られています。しかもそれだけの負担を経ても、適切なメンテナンスを怠れば、脱落してしまうことがあるそうで…。今回、日本で10人目となるヨーロッパインプラント学会の認定医で、日本補綴歯科学会の指導医を務める永田浩司先生に解説を頂きました。

インプラントを入れた後は手入れ不要?

歯を失ってしまった時、選択肢の1つとなるのがインプラントです。

「第二の永久歯」ともよばれるインプラントですが、自由診療で一般的に1本40〜50万円、クリニックによっては1本100万円もの費用がかかるため、経済的な負担の大きさから選択すべきか悩まれる方も多いと思います。また、外科治療が必要になることから、身体的な負担の大きさを考えて治療を躊躇する方もいるでしょう。

では、インプラントのメリットは何かいうと、噛む力が元の歯の80%程度まで回復することです。加えてお手入れがラクなことが、歯を失った時の他の選択肢である入れ歯、ブリッジとの大きな違いとなります。

インプラント治療が必要になる、歯を失う2大理由は虫歯、歯周病ですが、50代、60代の場合は歯周病が多くなります。

「インプラントを入れたら、もうお手入れは不要ですよね」とおっしゃる患者さんがいますが、実はインプラントを入れる前よりもしっかりお手入れしなければいけないのです。