ご先祖さまが平家の家臣
麻実 私、建礼門院徳子ゆかりの「長楽寺」を、京都の東山に訪ねたことがあります。ここは徳子が壇ノ浦の合戦の後に、出家、剃髪したお寺で寂しいところです。その後は、一族を弔い続けて亡くなったんですね。だから強いですよね、本当に。今回の脚本で、徳子はけっこうお転婆なシーンで始まりますしね。そうそう、咲妃さんは平家の末裔なんですってね。
咲妃 はい、我が家はいちおう、ご先祖さまが平家の家臣だったことが分かっておりまして。あ、いちおうなんて言ったら、ご先祖さまに失礼ですね(笑)。実家は宮崎県ですが、ご先祖は四国から九州に移り住んだとのことで、私は昔から源平では平家の方に共感を寄せていて。
麻実 四国や瀬戸内には平家落人の里といわれる場所が残っていて、西日本ではご先祖が平家という方は、意外と多く聞きますね。
湖月 私は茨城県にある、重盛のお墓と伝えられているお寺を訪ねました。小松寺というお寺なんですが、「伝内大臣平重盛墳墓」という場所があるんです。神秘的な参道と階段を上っていくと本堂がありますが、実はその参道は本堂ではなく、奥にある重盛さんのお墓に通じているということで。
麻実、咲妃 まあ……。
湖月 小松寺のご住職さんに「実は私、今度、重盛さんを演じることになった者で……」と、お声をかけて、いろいろお話を聞かせていただきました。
麻実 出演者の山路和弘さんのコメントの中に、下関にある清盛塚を訪ねたら、やぶの中にあって、ささやかで見つからないぐらいだった、という一文があって、胸を打たれましたね。清盛公のお墓や供養塔と伝えられているところは、関西にいくつかあり、どこが本当のお墓かは分からないとのことですが、あの栄華を誇った清盛公が、やぶの中にひっそりと……というのは、あわれを感じますよね。