麻実れいさん、湖月わたるさん、咲妃みゆさん
豪華3ショット。麻実れいさん(中央)、湖月わたるさん(右)、咲妃みゆさん(撮影:本社 奥西義和)
『平家物語 ―胡蝶の被斬(こちょうのきられ)―』は、公演回ごとに17人の〈日替わり出演者〉が入れ替わり、そこにダンサーやマルチパフォーマーを含む〈全日程出演者〉も加わる豪華版の舞台だ。初日の3月14日には、麻実れい(平清盛の妻、二位の尼・時子)、湖月わたる(清盛の長男、平重盛)、咲妃みゆ(清盛の娘、安徳帝の母、建礼門院・徳子)と、宝塚出身の3人が顔を揃える。本番に向けて稽古がはじまった3人に聞いた
(構成:清野由美 撮影:本社 奥西義和)

普通はありえない顔合わせ

――今回の舞台をお引き受けになった理由から聞かせてください。

麻実れいさん(以下、麻実) 私は平安時代に惹かれる気持ちがもともとあって、中でも平家物語は特別に心を寄せる世界でした。以前に語りで建礼門院の役を務めたことはありましたが(*“いのうえシェイクスピア”『鉈切り丸』)、どこかでお役をしっかりと演じてみたかった。清盛の妻で二位の尼・時子の役は今回が初めて。時子は建礼門院・徳子の母でもあり、役者としても大変演じがいがあります。

湖月わたるさん(以下、湖月) 私は清盛の嫡男、平重盛の役で、まさに宝塚時代男役の再来といいましょうか。宝塚では1985年に星組トップの峰さを理さんが主演された『西海に花散れど―平資盛日記抄―』という舞台がずっと印象に残っていて、その時の峰さんのお役が重盛の息子、資盛でした。そんなご縁も感じつつ、重盛という武将を女性が演じる演出が面白いと思って、お受けしました。

咲妃みゆさん(以下、咲妃) お話をいただいた時に直感で「演じてみたい!」と思って、もう二つ返事でお引き受けしました。今回の演出を担当される朴ロ美(ぱくろみ)さんとは、以前に舞台で共演させていただいたことがあり、ロ美さんのパッションに、ずっとあこがれてもいます。※(朴ロ美のロは王へんに路)

麻実 今回、私はロ美さんのご主人で、劇の共演者となる山路和弘さん(平清盛役)経由でお声をかけていただきました。最初はどなたとご一緒できるか知りませんでしたが、配役表を見た時はうれしかったですね。催し物でOGの方々と共演することはありますが、湖月さん、咲妃さんと私は、歌劇団の在籍期間が被っていないですし、普通はありえない顔合わせですよね。