この夢から覚めるつもりは毛筋ほどもねえよ

蔦重に向けて「馬鹿らしゅうありんす」と笑顔を見せた瀬川。

しかし「馬鹿みてえな昼寝の夢みてえな話だ」と話すと、蔦重は瀬川のほうに顔を向け「けど、お前も同じだったんじゃねえの? こりゃ、2人で見てた夢じゃねえの?」と伝えます。

すると場面は瀬川最後の花魁道中へ。

詰めかけた大群衆の中、白無垢の花嫁衣装をまとい、花魁道中を行う瀬川。その先にはどっしりと構えた蔦重の姿が。

二人が視線を重ねると、先ほどのやりとりへ場面が戻ります。

まっすぐに瀬川を見据えると「だから俺はこの夢から覚めるつもりは毛筋ほどもねえよ。お前と俺をつなぐもんはこれしかねえからよ。俺はその夢をずーっと…見続けるよ」とあらためて伝えた蔦重。

対して、目を見開いて蔦重の話を聞き終えた瀬川。「そりゃまあ、べらぼうだねエ」と蔦重へ笑顔で伝えて涙を流したところで、場面は再び花魁道中へ。

無音の中で歩を進めていく瀬川。

今度はまったく目を合わせることなく蔦重の横を過ぎると、そのまま吉原の大門を出ていくのでした。