「長期・積立・分散」の資産運用

世界水準の資産運用の仕組みを構築するプロジェクトに携わる中で、気づいたことがありました。資産運用のアルゴリズム(複雑な数式の組み合わせ)は、資産の規模にかかわらず同じものが使えるということです。運用する資産が10兆円でも1億円でも1万円でも、運用の考え方も数式も同じです。当てはめる数字(資産の額)が違うだけです。それが「長期・積立・分散」の資産運用でした。

「長期・積立・分散」とは、
(1)できるだけ長い時間(少なくとも10年以上)投資を続ける
(2)一定の金額を決まった間隔で投資する
(3)世界中のさまざまな資産に分けて投資する

方法です。

『新しいNISA投資の思考法 お金の悩みから解放される 正しい「長期・積立・分散」のはじめ方』(著:柴山和久/ダイヤモンド社)

実際に、世界最大規模の運用資産を持つノルウェー政府年金基金など、多くの機関投資家や富裕層が「長期・積立・分散」の資産運用を行い、長期的に高いリターンを上げています。

「長期・積立・分散」を続けるとどうなるのか、1992年から2022年まで、30年運用を続けた場合のシミュレーションを見てみましょう(世界の基軸通貨であるドル建で、まず最初に1万ドルを投資して、その後、毎月300ドルを積み立てた場合のシミュレーションです)。元本に対して、資産は約3.2倍に成長していました。

<『新しいNISA投資の思考法 お金の悩みから解放される 正しい「長期・積立・分散」のはじめ方』より>

ただし、30年のシミュレーションをよく見ると、資産はずっと増え続けていたわけではありません。一時的に減っている箇所がいくつかあることがわかります。