「子どもはそれぞれ部屋があるのに、「あれっ、私は?」って思いますよね。最近は、空いた子どもの部屋を借りて、パソコンを持ち込んだりしていますが」(鈴木さん)

 

 うちの娘は今、大学3年。中高6年間はお弁当だったのですが、最後の頃は私も張り切って、海苔で娘が好きな韓流スターの名前をハングルで書いたり、キャラ弁を作ったり。そうしたら娘が、最後の5日分のお弁当の写真を1枚に加工して、「6年間、ありがとう」という言葉を添えてメールで送ってくれたの。嬉しくて、今もその写真を、スマホの待ち受けにしていますよ。

鈴木 うらやましい! 私も20年間お弁当を作り続けてきたけど、そんなことしてくれないだろうな。むしろ、末の娘のお弁当が今年で終わるので、最後の1年は私が毎日お弁当の写真を撮っています。

 高校生になると、自分の友だちとの世界を作るようになるでしょう? 「子どもが手を離れた」と思えるのは、その頃からかしら。

鈴木 部活があると朝早く家を出て、帰ってくるのは夜ですしね。ある日、子どもたちを学校に送り出したあと、「あッ、日帰りなら今から京都に行けるかも」と気づいて。友だちと出かけたことがありました。

 

不機嫌な夫とのつきあい方

 ようやく子どもから手が離れたと思う頃には、今度は夫の定年や親の介護が待っているんですよね。だから女性は、「わたしファースト」でいられる時間が本当に少ない。

鈴木 なぜこれほど気を使って家族のために時間を使わないといけないんでしょう。えらいですよね、私たち女性は。(笑)

 ほんと、そう思う。介護に関しては私の場合、母が3年前に101歳で亡くなりまして。週1回の割合で山梨に通う生活が15年くらい続いたので、けっこう大変でした。

鈴木 でも真理子さんは、お仕事を休むことなく、ずっとハイペースで続けていらっしゃる印象があります。

 東京─山梨間でも往復3時間はかかるので、その間はじっくり本や資料を読む時間に充てていました。

鈴木 やはり、時間の使い方がとてもお上手なんですね。

 でもせっかく介護が終わったのに、今は夫が定年を迎えて、毎日家で見張られているみたいで、ものすごくストレスです。

鈴木 あははは。