そんなとき、外部からの情報、あるいは化粧品売り場にて、

「この男、じゃなくてクリーム、すっごくいいですよぉ」

そんな声を耳にする。あら、そうなの? と思って、ちょっと試してみる。衝撃を受ける。あら、いいじゃない! 出来心で衝動買いをする。そして新しい化粧品に身も心も肌もすっかり奪われて、使いかけの化粧品を放棄することになる。

もっともである私の場合、簡単には捨てない。放置するだけだ。

「まだ残ってるんだもんね。飽きたとはいえ、腐ったわけではない。取っておきましょう」

かくして洗面台にまた一つ、使いかけのクリーム瓶が増える定めとなる。