本誌2023年2月号掲載の「恵方巻きのように『長いものに巻かれろ』」。会議で「巻き寿司の好きな具のアンケート調査」を報告しているところだが、「退屈で長い会議ほど、なるべく〈巻き〉で終わらせてほしい」と田中さん

――身の回りのものを何かに見立て、ミニチュアの人形を配して作る作品には、子どものような遊び心を感じます。ミニチュア写真家・見立て作家の原点は、幼少期にあるのでしょうか。

結構レゴで遊んでいた覚えはありますね。そのほかにも、ウルトラマンの特撮ごっこをするときにティッシュでビルを作ったり、こたつのヒーターを火山の溶岩という設定にしたり。

小学生の頃からプラモデル作りを趣味にしていて、スケール感を出すために、一緒にミニチュアを飾っていたんですよね。ガンダムのプラモデルが一番好きだったのですが、ほかにも日本の城や、ちっちゃいジオラマの蕎麦屋さんなど、いろいろ作りました。ミニチュアは、プラモデルのおまけで買っていた、という感じでした。

ですから、子どもの頃からの遊びが今に繋がった……というよりは、思い出したというほうが近いですね。社会人になりデザイナーとして働いていた頃は、そんな遊び方をしていたことを忘れていましたから。今思い返せば、幼少期は自然と見立てに近い感覚で遊んでいたんだな、と思います。