――1日1作の投稿を続けるなかで、転機になった作品とされるのが、2012年3月に投稿された「Broccoli」。夕食で余っていたブロッコリーを木に見立てたとのことですが、そのときに思いついたのですか。
子どもの頃からブロッコリーは木に見えるなとは思っていたんですよ。でもこれって皆が考えるだろうし、こんなアイデアを今さら出しても面白くないかなと思っていました。
でもいざインスタに投稿してみると、「いいね」の数も多く、新鮮な反応が返ってきたんです。自分が当たり前だと思うものでも、受け入れられるんだな、と気づきました。ミニチュア写真に「見立て」という方向性ができてきたんです。
たとえば小さい頃は畳のへりを道路にして遊んだなと思い出したら、そういう作品を作ってみたり。自分が子どものときから考えていたような見立ての発想でも、面白いと言ってもらえるんだとわかりました。
フォロワー数や「いいね」の数がどうであれ、僕がミニチュアを集めたい、写真を撮りたいという気持ちはなくなりません。けれど、インスタにアップして皆の意見を取り入れたからこそ、今みたいな見立ての作風になったのだと思います。