鳴らないチャイム
迎えたイブ。指定の時間になってもピザは届かない。事前の予約確認メールに「到着が15分程度前後する可能性がある」と書かれていたため、男性は7時半すぎまで待ってから店舗に電話をかけた。
電話口では「混雑している」と告げられるばかりで、その後も家のチャイムは鳴る気配がない。とうとう諦めてキャンセルを申し出た。予約時刻から52分が過ぎていた。
つかの間の息抜きとなるはずだった長女、大好物を食べ損ねた次女、何より貴重な水入らずの時間を待ちわびていた男性にとって聖夜のピザパーティーは後味の悪すぎる結末となった。
クレームを入れ、全額返金を受けても気が晴れなかった男性は23年2月、宅配ピザ事業者を提訴した。配達されなかったのは時間通りに届ける法的義務を負っていたにもかかわらず、適切な注文管理をしていなかったためだとして10万円の慰謝料を求めた。