想定以上の注文数
事業者側は訴訟で「到着時間は顧客が予測しやすいように示すもので確約するものではない」と主張した。予約注文で生じる義務はあくまで指定された場所に届けることで、今回の遅配も社会通念上、許容される範囲だとした。
店側も配達の遅れが生じないよう受付件数を絞るといった工夫をしていたが、イブ当日は持ち帰りの注文が想定以上に舞い込み、ピザの焼き上がりが間に合わなかったという。「時間通りに配達できなかったことは改善すべき事項だ」としたものの、管理方法自体に問題はなかったと説明した。
宅配料理市場は新型コロナウイルス禍を経て拡大した。調査会社サカーナ・ジャパン(東京・港)によると「デリバリー市場」は23年に8622億円で前年から11%増加。コロナ前の19年(4183億円)と比べると2倍以上に伸びている。
フードデリバリーサービスが普及し、配達員を自社で確保する必要がなくなったことで店側の参入障壁も低くなった。サービスの中には配達員の現在地や到着予想時間が分かるものもある。メニューの魅力はもちろん、配達時間の正確性も注文先を選ぶ際の重要な判断材料になりつつある。