母からの虐待…生きづらさを抱えて

思えば、躓くたびに人生をアップデートしてきたように思います。私は19歳でシンガーソングライターとしてデビューしました。若い頃は、仕事に追われて、自分に余裕がなく、歌うことを楽しめていなかったように思います。「元気じゃないのに、元気な歌を歌うのは苦しい」と感じていた時期もあります。

青空の下のEPOさんの写真
収穫を終えて一休み

以前『婦人公論』のインタビューでお話ししたのですが、私には境界性パーソナリティ障害の母がいます。彼女の機嫌次第で謂れのない辛辣な言葉を浴びせられ、しつけと称して暴力を振るわれることもありました。インタビューでお話しした壮絶な体験は全て事実ですし、そこに書いていないこともたくさんありました。

そんな母から自立しようと早くに家を出たのですが、それでも心理的に母の存在に、長い間、囚われていた私がいます。一歩踏み出そうとすると、母の私に対する、否定的な言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡り、自分の行動に制限を与えてしまうのです。

小さな頃からの思い込みから、自分らしく生きることは、私にとって、とても危険なことだと思っていました。母のそばに暮らしていなくても、私は母からの精神的な呪縛から解き放たれてはいませんでした。