フレイルの前兆が始まるのは…

こうしたフレイルがどこから始まるかと言うと、実は“口”に前兆がみられる場合が多い。そして口のフレイルのことを「オーラルフレイル」と呼びます。

オーラルフレイルになるのは意外と早く、40歳代の約3分の1に、既にその兆しがみられています。そして50歳代では2人に1人、60歳代では6割以上、70歳代では8割以上に症状がみられます(日本老年歯科医学会発表)。

しかしその症状を自覚することは難しく、オーラルフレイルに積極的に取り組んでいる埼玉県志木市は「口腔機能(特に飲み込み機能)を自覚できない人は9割以上」との統計を発表しています。

オーラルフレイルは、その状態により「口腔機能低下症」という病気に定義されます。

聞き慣れない病名かも知れませんが、2018年には厚労省により保険治療対象の疾患に指定されました。実際、口腔機能低下症は「命を危険に晒す可能性がある」ので、言葉からは想像できない怖い病気なのです。