機能低下は40代から?こんな前兆に注意
たしかに口腔機能の衰えを自覚することは難しいのですが、自分で前兆を客観的に判断できれば、気づきが早くなり、対策がとれます。
その意味で、最も一般的な前兆は「むせ」です。最近、飲み物を飲んだ時、食べた時、むせたことはありませんか? もしあれば、それこそが口腔機能の衰えの前兆なのかもしれません。
ここで注意したいことは、若い時からむせやすい人は、歳を重ねた後、さらにむせる回数が多くなっても「自分はそういう体質だから」と見逃してしまうことです。
子どもの頃に口腔機能が正常に発達(獲得)しない場合は「口腔機能発達不全症」という病気ですが、これも見落とされるケースがとても多い。発達不全と言っても全く飲み食いができないわけではない、なので他人と比べて劣っていたとしても、日常生活を過ごすことができるので、普通のことと思い込んでしまうケースが多いのです。
当院の集計では、実に半数以上の子どもの口腔機能が正常に機能していません。しかも、普通の生活をしているだけで、いずれ正常になるものでもない。子どもの頃の口腔機能の障害の多くは、生涯にわたって影響を与え続ける可能性が高いのです。
そして筋力が衰え始める40歳を超えた頃から、再び「むせ」などの症状が出てくる。そしてその結果が、前述の様に40歳代の36%の人の口腔機能が低下しているという数字に表れるのです。
ですから「むせ」のある人は、それまでがどうかは関係なく、「口腔機能が低下してきた」という事実をしっかり認識する必要があります。